「今度わが社の新ビジネスをキミに立ち上げてもらいたいんだけど…」
ようやく自分の価値が認められたなどと喜んではいられない状況です
などと達観して格好つけてもいられないので、その時の覚悟したことや心がけたことを少し書き出しておきます。
当たり前といえば当たり前ですが、「今は存在しない」ということをもう少し深く考えてみます。
いったい何か存在しないのか、実例を挙げながら解説を試みます。
繰り返しの作業はあっても同じビジネスはないのが普通なのだと思っています。同じようなことはしていても、まったく同じではありません。とはいえきわめて類似したビジネスが過去につく席されていますから、応用すればよいだけです。いわゆる"ノウハウ"です。
新ビジネスでは手近なところによく類似したものがないように見えますが、視点を変えるとアナロジーは容易に見つかることが多いです。
例えばITセキュリティの新しいソリューションを考えなければならないとき(今では事例がごろごろ転がっていそうですが…)、ビルのセキュリティに置き換えたらどうなるか、国家のセキュリティだったら何が必要かを考えてみます。
ITビジネスだけを見ていると目先の機能だったりメニューばかりに気を取られて、お客様にとって魅力あるコンセプトが示せなかったり他社の模倣になったりしまいます。自社がどの業界にいて何を提供しているかをいったんは忘れて、自身が防衛大臣になったつもりでアイデアを出すとユニークな、そして本当に必要なソリューションが描けるかもしれません。
世界に目を向けるとすでに取り組みが先行していることの方が多いです。
(かつて!?)世界の知恵が集まった北米だけでなく、歴史的に国々の争いと強調が繰り広げられてきたヨーロッパ、紛争が絶えない中東アジアなどなど、世界を見渡すとそれぞれの背景から様々な取り組みがされていて、その中には参考になるものも少なくありません。
入社式があるのは世界中で日本と韓国ぐらいだという事実を知って海外のリクルートのソリューションにどんなものがあるかを調べるのは目から鱗が落ちるかもしれません。
GPT(General Purpose Technologies)が世界を変えていきました。なぜ、どうやって自動車大量生産の仕組みを考え付いたかを調べて、同じようにパラダイムシフトを起こさせられないかを考えるのはワクワクしてきます。
効率化や品質というキーワードであれば"工業化"がその歴史を作ってきたことに思い至ります。工業化の歴史をひも解いて何が求められて何を実現し、そして何を捨てていったのかを知ることは普遍的な新ビジネス策定のセオリーだと思います。
3つの視点、単独だけでなく組み合わせで味方がさらに深まると思います。